第8話

「こ、こら、勝手に入っちゃダメじゃない!」



私はまだ残っている男子生徒に近寄り、声を出した。



「だいたい、ここで何しようとしてたの!」



すごく面倒くさそうにする男子生徒は、見たことがあった。っていうか、3年1組の生徒だから。私んとこのクラスの子だから。



「矢島君、聞いてるの!?」



矢島昴 (やじま すばる)。



「聞いてますけど」



形のいい唇が、開く。

長いまつ毛⋯

切れ長の綺麗な二重幅⋯

スっした鼻筋に、薄い口。


モデルのような体型。



年上で、教師でもある私が、綺麗な男だと思うぐらい容姿が完璧な男⋯。

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