第84話

未だに見てくる生徒達をすり抜けて、

私は校舎の中へ入った。



「真希、さっきの人誰?知り合い?」


教室に行けば、待ってましたかのように、友達に捕まって。さっきの光景を見ていたらしい友達はそんな事をいう。


知り合い···でもなんでもない。

私が知り合いと言ったら、あんなに嫌な顔をする良を思い出せば、良はもっと嫌な顔をするだろうと思った。



「お姉ちゃんの彼氏の友達だよ、たまたま送ってくれたの」


「そうなの?あれ、西高だよね。あんまり関わらない方がいいよ」


「うん」



関わらない方がいい人種。

友達の言葉は、本当に正しいと思う。

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