第83話

「番号おしえろ」


そう言ったのは校門前で。


西高の制服を着ている良は目立ちすぎ、ジロジロと客寄せパンダのように学校へと入っていく生徒達が良を見る。



「え?」


「さっさとしろよ」



番号って私の?

どうして私が良に教える必要があるのだろうかと思いながら、ジロジロと見てくる生徒達の視線に耐えきれず、すぐさまスマホを取り出した。




交換し、良に「送ってくれてありがとう」という言葉さえ言うこともなく、良はうんざりした様子で来た道を戻って行った。



送ってもらった立場だけれど、あんなにも嫌そうな顔をするのはどうかと思った。

嫌なら、しなければいいのに。


お姉ちゃんの妹だからと、送ってくれた良。



私は頼んだわけじゃないのに···。

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