第78話

そんな事を考えていると、「そうなんですか、どうしよう⋯えっと⋯、良くんはいますか?」と、次は良くんの名前を口にして。



どうして彼の名前が出てくるの?


聖さんの彼女じゃないの?




「中にいましたよ、呼んできますね」



にこりと笑った裕太は、2階へと続く階段へと走っていき。





「すみません、急に来てしまって」


「大丈夫っすよ」



彼女は少し困った顔をしながら笑った。


みんなが敬語を使ってる。



本当に誰?



彼女を見つめていた私と、ふと視線が重なり、会釈してくれる彼女に会釈し返そうとした時。



「真希!」



低い声が、溜まり場に響いた。

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