第77話

溜まり場で裕太と、ここに来てから仲良くなった人達と喋っている時、突然現れた一人の女の子。



「―――こんにちは」




黒髪に、鎖骨程のボブヘアー。

すごく大人しそうな子だと思った。かといって地味とかそういうのではなく。

頭のいい制服をきちんと着ていたから、そう思ってしまったのかもしれない。


女の子らしいタイプの女の子。

そんな彼女が、私たちに話しかけていて。


裕太や、一緒に喋っていた人達は、少し驚いた様子で「こんにちは」と返事をし。




「すみませんが、聖くんを呼んでくれませんか?」



総長を呼んで欲しいという彼女は、穏やかに笑った。



誰?



「すみません、まだ来てないみたいです」



そう思っていると、裕太が申し訳なさそうに敬語で喋り。



裕太が敬語?


もしかして、聖さんの彼女とか?


まだ見たこともない総長の彼女。


この子が?

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