第65話
裕太が何かをしたのか、その日の夜は非通知からの電話は来なかった。
―――熱い⋯
―――体が動かない⋯
―――助けて⋯
もう夏は終わったというのに、悪夢を見た私は、真夜中に目をさました。
思い出したくもない出来事なのに、嫌でも思い出してしまう。何年も前のことが昨日の事のように感じる。
寝汗でびっしょりになった私は、頭をかかえた。
「⋯⋯頭痛いなぁ⋯もう⋯」
悪夢を見る自分がムカつく。
いつこの悪夢から、解放されるのだろうか。
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