第47話

そう言われて、なんて言えばいいか分からず。



「潤くんが気をつけてっていってた人」



何故か、名前を言うことが出来なかった。



「ああ、良くんな」



けど、すぐに分かってくれたらしい裕太は、「これ洗って返すわ」と、ハンカチを自身のポケットに入れ、私の手を握った。



「遥、遅れてきた俺が言うのもなんだけど、そういう時は離れていいから」


「え?」


「最悪の場合、乱闘に巻き込まれるかもしれないし」



高島良の喧嘩に巻き込まれる⋯。

その前に離れろってこと。



「うん、わかった」



私はにこりと笑いながら、

先程の光景をずっと思い出していた。

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