第13話

裕太の部屋は、私が来るためか少し片付けられていた。

紺色生地の布団のベット。膝ぐらいの高さの机。その机には雑誌が置いてあり。

散らばっているのか畳んでいるのか分からない服。


裕太は淡い色より、紺色や黒色が好きみたいで、そういう家具が置かれていた。



一発目から家?と思ったけれど、慣れている男は、それほど深く思っていないのかもしれない。



キスしてくる裕太は、やっぱり慣れていて。

ベットへ私を沈める裕太は、私の頭を撫でながらキスをしてくる。


私は受け止めるように、裕太の頭の後ろに腕をまわした。



「⋯可愛い⋯遥⋯」



そう言って、またキスをしてくる裕太は、きっと私の事をなんとも思っていない。


少なくとも、好きだとは、思っていないと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る