第14話
「裕太⋯あの⋯」
「⋯ん?」
服の裾へ手を入れた裕太は、あたしの背中をなぞり、簡単にホックを外して。
「私⋯、したことないの⋯」
私がポツリと呟くと、私の首筋に顔を埋めていた裕太が、驚いたように顔をあげた。
ねぇ、それほど遊んでいるように見えた?
「したことねぇって⋯やるの?」
「うん」
「マジ?」
「うん」
裕太の質問に答えれば、背中に回っていた慣れた手が、元の位置に戻っていき。
「別に⋯、やめてとかじゃなくて⋯」
完全に私に手を出すことをやめた裕太は、私に跨ったまま見下ろしていて。
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