第9話

「何するつもり?」


私は上目遣いで、近づいた距離の裕太を見つめ。



「俺と付き合わない?」


「本気?」


「うん、イヤ?」



ルックスもいい。


遊んではいるけど、性格は優しそうで。


なにより、西高の生徒。




―――西高の生徒は怒らすな。




私は裕太の頬に、両手を伸ばす。




「いいよ、付き合お」



私は、そう言って裕太を引き寄せた。


裕太は意地悪そうに笑い、私の唇にキスをしてきて。誰がくるか分からない、トイレに近い廊下で。まるで壁と裕太に挟まれるように。


やっぱり慣れている裕太は、角度を変えてキスを深めていくのも得意だった。

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