第10話

キスは何人かとした事がある。

けれどもこんなふうに強引で、優しく包み込むキスをしてくれるのは、初めてだった。







『――いい線行くじゃん、裕太くん、結構モテるみたいよ』


次の日の夕方、莉子に裕太と付き合ったことを報告した。


最近まで彼女がいたっていってたし、あのルックスだし、モテるというのは分かる気がして。


電話越しの莉子は笑っていて。




「西高の男を怒らすなって言ったのは、莉子でしょ」


私はスマホをスピーカーにして、化粧をしながら莉子と電話をしていた。



『そうだけどさ。』



あんな雰囲気で、断われと?



『あの後どうしたの?』



あの後?



「家まで送ってくれたよ。特に何も。莉子は?潤くんと帰ったでしょ?」


4人の男の中で、1番見た目が不良っぽい男⋯。

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