第85話

「え···?いきなり、なに?」



薫が私のことを?好き?

付き合わねぇ?って······。え?



「冗談···じゃないよね?」


「冗談で言うかよ」


「·········」



驚きのあまり動けない私を薫がジッと見つめてくる。心の中はバグバクだった。


気がつけば薫が私の頬に手をそえていて。ゆっくりと近づいてくる薫に、もう頭の中はパニックの一言それだけだった。



私よりも大きい掌が、頬を包んでいく。

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