第20話

「あ、あの、待って」


咄嗟に私は、聖を引き止めていた。

普通なら声をかけるなんてしない、どう見ても不良の彼。だけど容易に話しかけることが出来たのは、穏やかに笑ってくるせいかもしれない。



「なに?」


首を傾げる聖。



「えっと···」


何故引き止めたんだろうと、聖の顔を見て思う。別に何も言うことはないのに。



「薫···君と、このあと会う?」



咄嗟に出たのはこんな言葉。



「薫と?あー、うん、同じクラスだし」

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