「ムカつく、ほんまムカつくっ、お前なんか嫌いや!!」

海吏はそう言って、私の背中に腕を回す。

「お前と会わんかったら良かった⋯」

怒鳴った思えば、今度は苦しそうに言う。

会わなければ⋯。

それは、今まで海吏が奥底で秘めていた気持ちで。

「私は、良かったよ⋯海吏に会えて良かったよ」

「嘘つけ」

「ほんと」

「会わんかったら今頃あのクズと仲良くしてたやろ!!」

そうだけど。

そうだよ？

海吏と会わなければ。

監禁される事も、無かったかもしれない。

私は今頃、魁輝とずっと一緒にいれた。

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