第48話

「もう、自由に外出れるんやな」



自由に⋯。


私だけで、2人を連れて公園などいける。




「金銭面も落ち着いてきたし、そろそろちゃんとしたマンションとかに住もか」


「⋯私はここで充分だよ?」



古いアパートだけど。

あの、建物とか。

監禁部屋に比べれば。


私はもう閉じ込められて無いんだから。



「俺はオートロックあるマンションがええねん」



海吏は意地悪そうに微笑む。




「海吏⋯」


「おいで、抱っこさせて」



海吏にそう言われて、海吏の横に座る私は言われるがまま海吏に近づいた。海吏の足の上に横向きに座る形になった私は、ぎゅっと海吏に抱きしめられる。



「小早川世那⋯⋯、ひなのこと、連れ戻しに来たんやろ?」



海吏の指先が、私の頬をなぞった。

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