第47話

私の話に、ずっと真剣に聞いてくれた海吏。


頼の話も、ずっと眉間にシワを寄せていた。


世那が東を潰したことも。


私が結婚した事も言った。




「⋯頼⋯そう、か⋯」



海吏は落ち着くようにお茶を飲みながら、自分の頭の中で必死に私の話を整理しようとしているみたいだった。



「⋯⋯まあ、ってことは、あれやな」


「あれ?」


「もう、ルイらを殺しに来やんって事やな」




優しく笑った海吏は、襖の向こうにいる子供達を見つめる。


殺されない。


もう、東と頼の心配は無いから。



「そう、だね」


「もう逃げる必要も無いんやな」


「うん」


「そう、か⋯そうなんやな⋯」


「⋯海吏」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る