「⋯なろうかな」

でも、こんなにも私を見てくれる海吏を、これ以上拒否出来なかった。

情がない、訳では無いから。

ずっとずっと、そばにいてくれている海吏に、心が揺るがないはずがない。

「⋯ほんまに？」

目を丸くして、驚く海吏の顔が面白くて、クスクスと笑った。

「海吏は本当にいいの？」

「え？」

「海吏は、辛くない？不安にならない？」

2人は海吏の子供じゃないから。

私の中で海吏は2番目だから。

「辛いよ」

「うん」

「めっちゃ⋯不安。いつお前が離れるか分からんし」

「⋯うん」

「けど、それよりも、ひなが好きやからしゃあないやん⋯」

呆れたように笑う海吏。

私が好きだから、仕方がない。

「結婚しよっていうのも、本音はひなが俺から、逃げられんようにするためやし⋯」

「そっか」

「俺もなかなか、頭イッてるな」

「ほんと、こんな私のどこがいいのって思うよ？」

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