第23話
「開けられない⋯」
「陽向!」
「あ、あの、1時間⋯、待って」
「え?」
「い、今は、無理なのっ、お願い待って」
私はぎゅっとルイを抱きしめる。
扉の向こういる男は一瞬、話すのをやめて。
「分かった、待ってる」
そういったあと、何も喋らなくなった。
「⋯―――ごめんね、世那さん⋯」
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