第24話

初めて会った時の世那は、茶髪で、少しだけ童顔だった。10代と思っていた世那は、医師免許を持っていて私よりも歳上だって知った時は少し驚いた。



数年ぶりに会う世那は、黒のジャケットを着て、少し濃い茶色い髪になって、顔もしっかりとした大人の男性になっていた。




部屋の中に入ってきた世那は、畳の方で昼寝をしている2人を見つめていた。



魁輝の子供。



「ごめんね、麦茶しかなくて」



私はそう言って、さっきまでお絵描きしていた机の上に麦茶が入ったグラスを机の上に置いた。




子供たちからスっと私に視線を戻した世那は、「元気にしてたの?」と、私に聞いてくる。




「うん、世那さんは?」


「見ての通り、元気だよ」




世那は穏やかに笑うと、もう一度眠っている子供たちに目を向ける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る