第66話

「俺らがこっから出たら、覚えとき。頼と一緒に殺しに行くから」


「⋯より?」


「兄ちゃんを可愛がった先輩の、弟」


「⋯。⋯ここ、おんのか、そいつも」



笑顔をやめない海吏。



魁輝は顔を歪めた後、階段を降り始め。




「⋯陽向に手ぇ出したら殺すからな、お前でも」


「お腹の子、無事に生まれるとええね」



魁輝の険しい顔は、シャッターが開いている外に出るまで、変わらなかった。




近くに停められていた車の後部座席に乗り込んだ魁輝は、私を膝の上に乗せるように抱き寄せ。



19歳で、車の免許を持っている璃久が、運転席へと座り。その助手席には、煌が座った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る