第58話

夢、じゃない?


これは、現実?



璃久がすぐに部屋の中に入ってきて、「陽向!!」と、私の名前を呼びながら駆け寄ってきた。



「怪我は!?」



すごく慌ただしい璃久は、私を体を見てきて。

顔を振り怪我が無いことを伝えれば、その目は私の手元へとうつされる。


そこには、赤く腫れた手と、手錠があり。


それを見て、顔を顰めた璃久。




「鍵は!?」


「わ、かんな」


「どこだよクソ!!」



璃久は机の上や、床を探す。


けれども現れてくれない鍵に、璃久は何度も何度も「くそっ」と、低い声出したその時、





「陽向!!!」




次に入ってきたのは、ワインレッドの髪色。


私の知っている、薄茶色のビー玉のような瞳。

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