第48話

「俺の部屋、隣だから」



言葉通り、唯斗の部屋は、元魁輝の部屋の隣だった。

ここは確か、璃久の部屋だった。

璃久の部屋にも何度か入ったことがある。


それよりも物が多い今の部屋⋯。



「ほーら、体冷やしちゃダメなんだから、早く寝転んで?」



ベットの上へと誘導される私は、お腹の子供をを人質にされているせいで、顔を歪ませながら横になる。



「ああ、ほんと、ラッキーかもしれない」



ガチャ⋯と、聞いたことがある音が、聞こえ。




「俺、3週間前に来たばっかりでさ」


「⋯⋯っ」



左手首に、銀色の輪っかが通され。




「俺とやった子、まだ妊娠できてなくて。ってか、待ってたら頼(より)に取られちゃったし、ようするに今は1人もいないんだけど」



範囲側の輪っかを、ベットの頭上にある柵に通すと、また右手首に輪っかがハマる。


ガチャ、とハメられ。


似たような格好をした事がある私は⋯。



「俺、妊婦が大好きなんだ」



心の中で魁輝に助けてと叫ぶ。

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