第20話

「めんどくさいね、もう⋯」


呆れたように呟いた世那に、私は「ごめんなさい⋯」と謝る。



「何が?」


「噂、になってるみたいで⋯」


「ああ、いつもの事だよ。ほんとに噂好きだから。気をつけて帰ってね」


「うん、ありがとう」



今度こそ優しく笑う世那と別れ、順番がきた会計を終わらし、病院を出て最寄り駅へと向かう。




家に帰り、いつも通り用事をしていると、鞄の中に入れたままのスマホのバイブ音が鳴り。



手を止めスマホを見れば、そこには『璃久』との文字があり。

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