第84話

「あっ、…やだ、っ、るう、やだっ」


「ん?」


「これっ…いや、なのっ…」



びっしょりと濡れたシーツ。

そのシーツが嫌だから、じゃない。

私はこの体位がどうしてもすきになれない…。



「月っていつもこれ嫌がるね?バックは喜んでるのに…」


「やめて…」


「うん分かった、やめる」




トイレには行かせてくれなかったくせに、寝バックという体位をあっさりとやめた流雨は、正常位に戻すとそのまま私の体を起こしてきて座ったまま繋がった。



「寝バック…、嫌な思い出でもあるの?」



そういった流雨は、私に柔らかくキスをする。



いやな思い出…。

分からない。

でも、寝バックという体位がすきになれない。




「……流雨の顔、見たかったの…」



そういった私に、流雨は頬を赤く染めると、もう一度角度を変えて深いキスをしてきた。

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