第75話

本当に2.3日たつと、ギャラリーは随分減っていた。それでも見に来る人はいる。


流雨はそれに苛立っていた。「俺の月をずっと見に来てる」と。


流雨がそのギャラリー達を殴りに行こうとして、「やめとけ」と晴陽に止められていた。




でも流雨よりもそのギャラリーを気にしていたのは柚李だった。「あいつ初日もいた。昨日と連続で来てるやつもいる」と晴陽に報告していた。



〝顔〟を覚えているらしい柚李…。

その目は鋭く、「明日もいるようなら行ってくる」と言った柚李に晴陽は「ああ」と、返事をし。



「月には指1本ふれさせるな」



そう呟いた晴陽は、珍しく煙草を吸っていなかった。

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