第59話

──…月の親はいつ帰ってくるの?



土曜日のお昼。

その質問に、「次は水曜日」と言わなければよかった。日曜日、つまり明日帰ってくると言えば良かった。そう言えば土曜日に帰れたかもしれないのに。







昨日…土曜日の朝まで抱かれ。

そして昼に起きて昼食を食べている最中に「水曜日」とさっきの質問に答えれば、またベットへ連れていかれた。



また行為は夕方まで続き。

一緒にお風呂に入って、またベットへ向かう流雨に顔が青ざめた。「…もう、やめて、ムリだよ…」と首をふる私にキスをしてくる流雨は全くやめてくれなくて。



その日の夜は寝た気がする。というより行為中に気絶してしまって、よく覚えていなくて。




日曜日の朝、気がつけば私の中にいる流雨が腰をふっていた。「や、ぁ、…」と、起きたばかりだからか、疲れ切っている私の体はもう抵抗する力も無くて。




そして現在、膝立ちしている私の後ろから肩を動かないように固定し、ゆっくりとしたスピードで突いてくるその動きに熱い息が止まることは無く。



「えらいね」


「あっ…んぅ…っああ…」


「中イキ、覚えたね」


「やめ、っ…も、」



後ろから、ゆっくりと律動してくる。体位のせいかそれが確実に奥まで届き、また下半身…膣の奥が弾けるように熱くなっていく。



それがパン、っと、弾け飛べば、また頭が真っ白になり終わったあとの脱力感がすごく。



「ふふ…またイッちゃった?」


「うご、か…ない、で」


「ごめん動いちゃう…」


「………〜〜っ」


「相性いいのかな…」


「っ、あ、あっ、そこっ…い、いく……っ…」


「…ここ、そんなに気持ちいいの?」



後ろから耳元で呟かれ、そんな事ないと首をふったその時、また熱が集まってくる感覚が高まり、膣の中がドロドロになるまで弾け…。



もう連続で中でイク事も覚えてしまった私の体は、流雨の思いのままだった。



「かわいい…ほんとかわいい…」



ビクビクと体を震わせている私を、もう自由に扱う流雨は、「ゴム無くなっちゃった…」とポツリと呟くと、正常位に戻し腰を強く押しつけてきて。


嫌ではなく、快感で泣く私は鳴き続けた。










また気絶してしまったらしい…、

瞼を上げれば窓の外はオレンジ色に染まっていて。体を動かそうにも下腹部に違和感があって、痛いよりも腰が重く全く動けなかった。


ベットの上に流雨はいなかった。

それにほっとしてもう一度眠りにつこうとした時──…




「ごめんって、だって仕方なかったんだもん」


と、流雨の声が聞こて。




「ほんとに昨日行こうとしたんだよ?でも月があんまりにも可愛すぎて…。俺のでイッちゃうんだよ?やばくない?」



昨日…、土曜日?

だれ、誰と話をしているの…?


電話で誰かと会話をしているらしい流雨に、目を閉じながら耳を傾けた。

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