第58話

中イキ、っていうのは分からなかった。

でも律動しなから何回か突起を指で刺激する快感に、悲鳴のような甘い声が止まらなかった。


イクという感覚は多分何回も起こっていたような気がする。






「中はまだ難しいかな?」



流雨がそういったのは、もう体が動かなくて、ヘトヘトになって瞼も開けるのが辛い頃だった。


今が何時かも分からないし、ただかすかに窓の外が明るかったような気がする…。


「まだヤりたいなあ…」と言う流雨にゾッとして、必死に私は瞼を動かした。


そこには胸元に顔を埋めている流雨がいて。


流雨が新しい避妊具を取ろうとするから、もう、むり、むり、と。首をふった。




「る、…もう」


「ん?」


「……も、……」


「そっか、分かった…。ゴム使いすぎかな?」



にっこり笑った流雨は遠のき、ほ…と安心した私はもう1度瞼を閉じて。



「おやすみ、お昼頃になれば起こすね」と、私の額にキスをしてきたのを最後に、私は気を失うように眠りについた。

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