第57話

息をするのが辛い…。

この部屋に酸素はあるんだろうかっていうぐらい、息がしにくい。

熱い吐息と甘い声が止まらなくて、必死に奥歯を噛んだ。


でも奥歯を噛むと余計に下半身に力が入り、「っは…」と噛むのをやめれば力が抜けて、流雨の指の動きが強く感じ。


足のつま先まで、痺れのようなものが走る。



少しずつ何かが、集まってくるのが分かった。

集まってくる…っていうか、何かが溜まっていく感覚。


風船に空気が入れられ、それを必死に割れないようにしている…感じ、の…。



「こ、わいっ、っ…こわい…ッ…」



集まっていく熱に、戸惑い足を動かすけど、痺れだしている足は機能しなくて。


これ以上耐えられない快感に、腰が勝手にくねくねと動いた。もう流雨の頭を押すのもやめ、流雨から逃げるように上へ上へと逃げ出そうとすれば、がっちりと流雨が足を固定して離してくれなくて。



「やめっ、やめてッ、や、やあ…!」



熱が集まる。

くる、

なにか、なにか、が、


流雨の舌が、指先がっ。



「〜〜〜…っ!!!!」



多分、叫んでたと思う。

あんまり覚えてない、

そこだけが記憶が飛んでいるかのようで。

頭が真っ白になる、それなのにお腹や瞼まで痙攣が止まらなくて。




気づけば膣にあった異物感が抜かれ、生暖かいぬるっとした感覚が無くなっていた。


涙を流して、肩まで震えている私はシーツを掴むことも出来なかった。


息を落ち着かせるように大きくハアハアと酸素を求めていたら、「大丈夫?」と体を起こして見下ろす流雨がいて。



大丈夫じゃない、と、首を大きくふれば、さっきまでずっと足を固定してた方の手で頭を撫でてきた。



「頑張ったね」と、柔らかい笑顔を向ける流雨…。



「……ひど、いっ、」


「ん?」


「……やめて、って、いったのに…」



まだ、下半身がビクビクしてる。

ヒク、ヒク、と、入り口が動いてる…。



ポロポロと泣き出す私に「ごめんね、でも上手だったよ。すごく可愛かった」と肩にかかっている足に口付けした流雨は、その足をゆっくりと広げる。



まさか、


まって、



「る、」



思わず後ずさる……。




「次は中イキ、覚えようね」



いつの間にか付けられている避妊具越しに、流雨が入り口で自身をなぞり。

もうすっかり濡れている私のそこは、簡単に埋め込まれていく。



「まっ、あっ、あ、、あ…!」



必死になにか掴むもの、と、求めれば流雨が私の手を握った。

無意識にそれを握り返せば、流雨の笑っている雰囲気がして。



「かわいい顔、もっと見せて」



そう言った流雨は1晩中、私を離さなかった。

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