第56話
21時頃に魔窟を出て、またシティホテルについた。高級そうなホテル。
シャワーも浴びてない。
我慢できないとでもいうように部屋に入った途端キスをしてきた流雨はそのままベットは私を押し倒した。
高価なベットは、ギシリと音を立たない。
「今日は1晩中抱いてもいいの?」
そう言った流雨は、首筋にキスをする…。
1晩中…。
昨日もすごく長かったけど。
今日はそれ以上らしく。
「しゃ、シャワー…あびたい、んっ…」
また頭を包み込むように腕をまわされ、キスをしてくる流雨…。
「先にしたいんだけど…」
「るう…」
「…うん、我慢する」
体を起こした流雨は、「一緒に入ろう?」とそのまま私を抱き起こし、私をバスルームに連れていった。
昨日のように一緒に湯船につかり、また私な体を引き寄せキスマークをつけようとする流雨に、「あ、あの…」と声をかけた。
「ん?」と、呟いた流雨が肩あたりを吸って、またアトをのこしてきて。
もうその痛みにすっかり慣れてしまった私は、また…つけられた…と、泣きそうになる。
「くびとか、見えるとこ…やめてほしくて」
ぴたりと、動きを止めた流雨。
「──…どうして?」と、トーンを変えず言った彼にビクビクとしながら、ぎゅうっと手を握りしめる。
「ナナに見られたくない?」
アトはつけず、そこを舌で舐める。そこの部分は私の、ぴく、と、動いてしまうところで。
お風呂場だからか流雨の声が、小さいのにやけに響いた。
「そうじゃなくて、」
うそ、本当は1番、柚李に見られたくない…。
さっきも見ないで……って思ってた。
助けて欲しいのに、部屋から出ていった柚李にほっとしていた。
「半袖に、なれないから…」
「半袖?」
「体育できない…」
「ああ…、恥ずかしい?」
「うん…」
「見えないところならいいの?」
見えないところ。
そんなところに、キスマークをつけられる…。
「うん…つけて」
湯船が揺れる。
少し強引に顔を後ろに向かされ、流雨に唇を塞がれた。差し込まれる舌に、上手く答える事ができない私は口を開いて受け入れるのみ。
そのままバスローブも着ず、タオルで体だけをふき、ベットに連れていかれた私の右足にキスをする流雨の行為が始まって。
昨日の行為でどこが弱いか分かっているらしい流雨はそこをずっと刺激してくる。
舐めたり手のひらで撫でたり。
キスマークを残したり。
膝よりも上にキスマークを付ける男。
四肢と背中すべて口付けされた頃には、もうすっかり息が上がっていた。
はあはあ、と、シーツを掴む。
「今日はイクまで挿れるつもりないから」
昨日とはちがい、〝やめる?〟って聞かない流雨は、私の気持ちを知りながら抱くらしい。
私の体を仰向けに戻した流雨は、私の足を開かせると太ももにキスをしたあと中心部へと向かう…。
「る…、あ、まっ…」
「大丈夫、慣れるとイクのも怖くないから」
柔らかい湿ったそれが、わざと音を立てて当ててきた。私の耳も刺激してるらしい。吸う時は水音とじゅっ…と音を立ててくる。
「あっ……、ッ…」
「足伸ばして」
私の足が流雨の肩にかけられた。そのまま中に指が入ってくる。
入口付近を舐めてきた流雨の刺激に、足がピン、と嫌でも伸びた。
「っ…!…〜〜〜っ、」
「…力も抜いて」
声を出したと思えば、また舐められて吸われる。中の指が少し曲がり天井をこすり、よく分からない刺激にシーツを掴む手が弱まることは無い。
「る、つっ〜」
「大丈夫、ヒクヒクしてるし、濡れてるし、もう少し」
ぎゅっと、瞼を閉じた。
やだ、やだ、こんなのっ…
いやなのに、大嫌いな流雨なのに。
体は流雨を全く嫌がっていないから…。
足に力が入っていく…。
太ももに力が入る。
出入りしてる指先を止めて欲しい。
舐めるのをやめて欲しい。
ぐちゅぐちゅ──…と、音が耳を刺激する。
「っ、〜〜…や、やめ、」
シーツを掴む手をやめて、下半身に手を伸ばした。下半身、埋めている流雨の頭をおした。指にまだ濡れている流雨の髪がからむ、
「あっ、あっ、…」
上半身が浮かんだ。
ハアハア、ハアハアと、息が荒くなる。
「やめ、っ、やめ…」
昨日言わなかった〝やめて〟と言ってるのに、流雨はやめてくれない…。
ずず、と、強く吸われ。
指が奥へと進み、また、ビクビク、と、腰が揺れた。
汗が、止まらない…。
力が入る太ももは、少しづつ流雨の顔を挟んでいく。
やだ……。
イクことなんて、覚えたくない…。
やだ……。
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