three

第48話

お風呂の中は明るく、さっきの薄暗いベットルームとは違い肌を見れた。


二の腕にもお腹にも、もちろん足にも赤いアトがあった。

これ何個あるんだろう?って考える前に、背後からまた1つ増やされる。


分かってはいたけど、独占欲が強いらしい流雨は「もう付けるとこ無いんだけど」とクスクスと笑っていた。



…ぽちゃんと、湯船が揺れる。


私のお腹に腕を回す流雨との2人きりのお風呂。2人が入っても広い浴槽。



「付けすぎだよ…」


行為中、敬語をなくした私に流雨は笑う。



「俺たぶん、めちゃくちゃ束縛するよ」


「…知ってるよ?」


「嫉妬もする」


「うん…」


「なんか、すごいな…」


「…何が?」



少し、流雨の方へ振り向いた。そうすればお腹に回る腕に力が入った。



「今まで本当に恋人みたいに石川さん達を扱っていたけど、月と全然気持ちが違う…」


「…」


「4匹目になんかしないよ、囲ったりしない。水槽の中に絶対閉じ込めない」


「…束縛するって言ったのに…?」


「うん、束縛は許して。きっとナナで嫉妬する日くるから」


「…」


「…もう日付跨ぐね、家は大丈夫?」


「うん…」


「この後、ちゃんと送るね。明日は金曜日だし泊まりに行こ」




もう付ける場所はないはずなのに、髪をずらし、目立つ所にキスマークをつける流雨は…。



私が柚李の事を好きだと気づいているのだろうか…。

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