第46話

息が、つまる。


右足、左足、右腕、左腕。



しゅるしゅしゅる──…と、バスローブの紐はとっくに解かれて。気づけば上半身のバスローブは脱がされていた。


ベットの上にうつ伏せになり、背中に何度も何度もキスして舐めてくる彼は、たくさんアトを残していく。



「……っ、あ…」



流雨の舌が、背中の真ん中よりも少し下当たりを攻め、びくと反応したその場所をずっと舐めてくる…。




「はっ……あ…」



胸をさわられてるわけでもない、秘部もさわれられているわけでもない。

ただ足と腕と、背中を時間をかけてキスをしてくるだけ。

なのにまるで、全身が性感帯になったように、ビクビク、と、震えそうになる。



いや、なのに…



「……いや?やめる?」



ちゅ…と、肩にキスをしてきた流雨の声は耳に近く。口を自分の手のひらでおさえている私は、戸惑いながら首を振った。



「やめるなら今だよ?」


「…っ、…」


「るな…」



首をふる。



「そっか…」


「ん…っ」



流雨がまた、感じるとこに、舌を伸ばし。



「っ、あ……」


「もう無理だよ」


「はぁ……」


「俺もちょっと限界…」



少し吐息をだした流雨は、そのまま私を仰向けにした。久しぶりに、流雨の視線が重なる。


そのまま鎖骨に降ってきた流雨のキスにビクッ、と、肩が縮み。だめなのに笑わなくちゃいけないのに、ぐっと瞳を閉じた。



「怖くないよ大丈夫」



流雨の手のひらが、太ももを撫で、秘部へとのびた。舌が滑らかにおりてきて、胸を刺激し。


恐怖と、焦りと、戸惑いと、流雨によって与えられる刺激に頭がおかしくなりそうで。

秘部に異物が入ってくる。


その異物を、さっきからの流雨の愛撫のせいか、侵入を許してしう自分の体が、怖かった。


意志とは関係なく、受け入れてしまっている。




「……ま、まっ、て」



それに戸惑った私は、咄嗟にそう言っていた…。




「……やめる?」



限界と言った男が、またアトを残していく…。



「…っ、…」


「るな…」




こわい、


挿れられたくない…。



指が抜かれ、「やめる?」と、もう一度その台詞を言った流雨は少しだけ体を起こした。



「……大事にするよ?って言いながら、大事にできてないよね。これ」


「る、う…」


「もう1回聞くよ、本当にこれが最後」


「っ……」



薄暗い部屋の中、笑っていない流雨が見下ろす。





「やめる?」

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