第37話

学校の中で聞いた事がある。


〝愛されたい〟

〝抱かれたい〟

〝遊ばれたい〟

〝雲の上の存在〟


変われるものなら変わってほしい。


この行為が羨む行為なら、変わるから。



「うっ、……め、……て…」



ずっと泣いて、シーツを握りしめ、泣きじゃくる私を見下ろすその人は、大きなため息をつき。


「泣くなよ鬱陶しい…」と、律動をやめない。



「怒んねぇ約束しなかったらよかった…」




──…そんな彼が律動をやめた頃はもう、シーツは涙のせいでびっしょりになっていて。



服を着直した彼は、ずっと泣き続ける私の髪を耳にかけてくる。



「俺に抱かれたく無かったら、早く流雨に懐けよ」



そう言って、呟く悪魔…。



「抱いたこと…、るうさんに、バレれば、あなも、柚李さんみたいに、なるんじゃないの…」



シーツから顔をあげ、涙目で晴陽を睨みつければ、「そうかもな?」と自身の手で、私の頬を鷲掴み。



「けど、そうなったら俺が流雨を抜けされればいい話。お前の送りはナナに逆戻り」


「…そう簡単に、抜けることができるの…?」


「総長に手を出した男ってだけで罪は重い」


「…卑怯…」


「俺とやった事。浮気はばれちゃだめだよ、月」


「……っ、何がしたいの!」


「別に何も、俺の予定通りに動いてくれればいい」



予定通り…。



「じゃあ…、御幸さんが、私に…言うように仕向けたのも晴陽?」



もうこんな男、呼びすてでいいと、睨みつけた。



「御幸?」



意味分からない、という顔をする晴陽は顔を傾けた。



「御幸さんに言われた…、柚李さんの弟のこと…」



呼びすてで呼んだ事を気にしてない男は、「ああ、そう、御幸が…だから早かったのか…」と、少し私から視線を逸らした。



「それとも、…ぐる…?」


「残念ながらそれは違う、俺は御幸が嫌いだから。早く服着なよ。流雨にやった事バレないようにしねぇとな」

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