第16話

その後、晴陽が柚李と電話をしていたのを知らず。



「姫のご機嫌取り、簡単な」と。

晴陽が煙草を吸いながら欠伸をしているのも知らない。



『…もう無理だろ』


「何が」


『降ろしてやれよ…』


「うーん?」


『お前も名前呼ばれて、助けてって言われてみろよ…』


「ふつうに勃つわァ」


『真面目に言ってんだよ』


「ナナ、明日から送り迎え全部お前だから」


『……は?』


「よろしく、姫がお前をご希望なんだわ」

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