真夜中の影


夜、江戸の町。


静かな夜。


住人が寝静まる深夜の時間帯。


遠くの方から複数人の笛音やら足音やら聞こえてくる。



「捕らえろー!くせ者だ!」



町奉行の役人がバタバタと足音を立てながら何者かを追っているようだ。


どうやら近くで人斬りがあったらしい。


役人は辺りを警戒しながら人斬りを捜索している。


そんな中、陰に隠れていたとある男が人がいないことを確認してその死体を見る。


その死体からは首に蜘蛛の形をした傷があった。


確認した男は管笠を深く被り直すとマントをなびかせ、そのまま闇に消えて行った。

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