桜の紋
霧雪夜子
序盤
始まりの紋
時は明治時代。
それはわたしたちがまだ八華でいた頃である。
あの頃のわたしは毎日がとても楽しくて、いつも八華の人たちを困らせていた。
あの頃はとても楽しかった。
いつもみんながそばにいてくれたから。
これはわたしが花姫として、江戸の町に八華がまだあった頃の物語。
八華ができるまでの話しと、愛しいあの人と初めて出会うお話。
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