第78話

「総長代理って薫に頼まれたのか?」



静まり返った空気を破るように爽と言う名前のやつが俺に質問してきた。

首にヘッドホンと片手にパソコン…。役割はハッカーかな。



「そうだな。薫が記憶を失う前に頼まれたんだ」



「そうか。なら歓迎するよ、怜央」



そう言って俺に手を差し出してくれた。

意外だな。すんなり認めてくれるなんて。



「ありがとう」



「お前らはどうすんの?」



俺が感謝を述べると、爽が他の幹部に問いかけた。

他の幹部はどうだろうか。



「爽がいいって言うんならいいんじゃない?だよな、蓮」



「俺は言える立場じゃないだろ、薫が認めてるやつなら問題ないと思う」



穏便に済んでよかった。

よほど薫は信頼されてるんだな。



「よかったね怜央!これからよろしく!」



律がそう言いながら飛びついてきた。

こいつ、元気すぎだろ。



「…律、離れてくれ」



「えー⁉なんでー」



どれだけ振り回しても落ちない…。

見た目とギャップありすぎだろ…馬鹿力め。

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