第77話

「それとさ、他の幹部メンバーにも挨拶しときなよ。総長代理が知らない奴だと困るだろ」



「確かにそれもそうだな。行ってくる」



幹部メンバーの部屋があるらしいから行ってみるか。

2階の奥の部屋だったかな。


少し隠されたような設計になっている部屋の扉を叩く。


「はーい」という返事が聞こえたので扉を開く。



「すまない、ここって幹部部屋であってるか?」



「おー!ナイスタイミングだね」



「え?おっ、あっぶね…」



いきなり出てきた律が俺の腕を引っ張って椅子に座らせる。

こいつキャラと違って力強すぎだろ。



「はい!さっき話してた柊怜央がこの人!」



「こいつが柊怜央か」



「あぁ、あの時いた人だね」



「そういや、いたな」



「薫の彼氏じゃなかった?」



「え、それは聞いてないぞ」



「薫の彼氏…見極めたほうがいい感じ?」



幹部のやつらはわいわいと一気に話し出す。

これは薫もまとめるの大変だったろうな…。



「怜央、一応自己紹介しとけば?」



「あぁ、わかった。総長代理を務めさせてもらう柊怜央だ。これからよろしく」



部屋がしんと静まり返った。

幹部たちがお互いがどう出るか様子見している空気感があった。

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