第79話

凪が腕を組みながら、寄りかかっていた壁から背を離す。



「総長代理が怜央でいいとして、俺たちはこれからどう動く?」



凪がそう言うと、爽が持っていたパソコンに視線を落とす。



「やっぱり、さっき朔から送られてきた黒狼の薬の入手ルートじゃないか?これが一番怪しい」



やっぱりそれを調べるのが一番手っ取り早いよな。

薬の入手ルートなんてやばいやつしか関わらないからかなり危険だが、あいつがそこまでしてあの薬を手に入れたなんて今でも信じられない。



「黒狼内部でもその情報を知っている奴は少なかったらしいから、そのデータが一番ルートを調べる上で重要な情報だ」



「じゃあ爽がそのデータ解析してる間に、僕たち何してればいい?」



そう言えば、薫が記憶を失う前に隠し部屋の話をしていたような。

ふと思い出して、その隠し部屋の写真を持っていた蓮に目を向ける。



「蓮、隠し部屋の写真持ってたよな。それ見せてくれないか」



「あぁ、それか。ちょっと待て」



スマホを少しいじって、あの隠し部屋の写真を俺に見せる。

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