第75話

「脳へのダメ―ジがかなり大きいですね。薬の影響でしばらく目覚めないかと」



「そう、ですか…」



医師の診断を聞いた後、薫がいる病室へ向かった。


薫の記憶が戻る可能性を今は信じるしかないよな。

闇來を頼まれたんだ。薫の代わりに俺がやるしかない。



「待ってろよ、薫。闇來は任せろ」



ピピピッ



電話…?



「—―はい、柊です」



電話の相手は朔だった。



――「黒狼についての情報だ。総長が闇來のやつらに倒されたのが伝わって、自然と解散の流れになったらしい」



「—―解散したのか。黒狼のパソコン内の情報を入手したかったんだが」



――「そう言うと思って、入手しといたよ。この後取りに来い」



「—―わかった」



朔はいつも気が利くな。



病室に入ると、薫が静かに眠っていた。

記憶も戻って、目覚めるといいな。



「朔に呼ばれてるし、もう行くよ。また来るよ、薫」

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