第70話

「そろそろ薫から離れてもらっていいかな?律さん」



怜央が律の肩を掴んで引きはがす。



「びっくりしたぁ。君は薫の知り合いの怜央くんだっけ」



「はい。名前は呼び捨てで全然構いませんよ」



「あー。多分僕のほうが年下だから敬語なんて使わなくていいよ」



確かに、私と律は同い年だけど怜央は私より年上だったはず。

律は誰にでもタメ口使うからなぁ、年上への気遣いがなんか出来てるようで出来てないような…。まぁ、いいか。そこが律のいい所でもあるんだから。



「それよりも薫、怜央とはどういう関係?幼馴染?友達?」



「えっ?」



怜央と私の関係?

さっき告白したとき俺もって怜央言ってたよね…。りょ、りょうおも…いでいいのか、な?

付き合ってはないし、恋人ではない。何て言うべきなんだろこれ…。



「あー。なるほどね」



何かを理解したような目で私と怜央を見る。

怜央もその視線に気まずそうにしている。


「会って数時間も経ってないやつに任せるのは嫌だけど、しょうがないよなー」



はぁ…。とため息をつくと怜央に近づいて、



「今だけだよ。今薫の気持ちを優先するだけだから」



そう言って凪たちの方へ走っていった。

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