第67話

作戦通り先に怜央が柊に蹴りを入れる。



「そんな遅い蹴りは僕にあたらないって」


何人かの攻撃も避けながら、怜央の蹴りまで軽々と避けた。

まぁ、それも想定済みだ。


だから、



「想定済みに決まってんでしょう……よっ!」



怜央に気を取られている間に、鳩尾に叩き込む!



「がはっ」



柊は鳩尾を押さえながら地面に倒れ込んだ。

今なら睡眠薬が打ち込める。



「終わりだよ、柊零斗。少し眠ってなさい」



柊に睡眠薬を打ち込むと、一瞬で眠りについた。

効いた…!



「ナイス、薫」



「怜央もね。アシスト助かった」



あとは蓮だけど。……その心配はないみたい。

私の視線の先では蓮が地面に倒れていた。おそらく、凪と律がやったのだろう。



「ねぇ、なんで黒狼側についたの」


蓮が仲間を簡単に裏切るようなやつとは思えない。

何か理由があるはず。

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