第53話

え…?私、今なにされた?


状況に理解ができずしばらく呆然する。



「キっ、キスされた…よね?」



そうわかった瞬間に顔に熱が集まる。

まって、今絶対顔赤い。



ぱたぱたと扇いでいると、柊が部屋に戻ってきた。



「ふふっ、顔赤いけど、どうかした?」



「っ!なっ、なんでもない」



絶対からかってきてる!

冷静になれ、こいつは私を監禁してきたやつだよ!



「もしかして、ああゆうの慣れてなかった?」



「うっ、うるさい!もう出てって!」



私が無理やり部屋から出そうとすると、私の頭をなでて、「かわいいね、薫」と耳元で囁いて出て行った。



あまりの衝撃で、囁かれた方の耳を押さえたまま地べたにぺたんと座り込んだ。



「あぁ、もう!気が狂う!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る