第52話

「でも、君は外に出たいよね。怜央を探してるから」



「……なんでそれを知ってるの」



柊は平然と紅茶をカップに注ぐ。



「あれ?まだ思い出してなかったか」



そう言いながら、胸ポケットに手を入れて何かを取り出す。



「…これでも、思い出せない?」



胸ポケットから銃を取り出し、銃口を私に向けてきた。



「……っ!頭が…いた…いっ」



頭がわれるみたいに痛いっ!痛い、痛い、痛い…。



「まだ思い出すのは無理か。はい、落ち着いて紅茶飲んで?」



手が震える私にゆっくりと紅茶を飲ませてくれた。



「落ち着いて…きた、かも」



「そっか、良かった。無理させてごめんね」



柊は立ち上がると、私のおでこにキスをして「ゆっくり休んでね」と言い部屋から出て行った。

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