第49話

目隠しが取られた場所は、廃ビルだった。



「この部屋に入ったら、リーダーがいるよぉ」



零斗が指をさした先には、一つの鉄の扉があった。



ガチャ



「誰もいない…。騙したな⁉零斗!」



部屋の中は空っぽだった。リーダーの姿はなかった。



「ふふっ、僕は嘘ついてないよ」



ドカッ…!



「…ぐはっ」



俺は背後から何かで殴られた。



「怜央!大丈夫⁉…リーダーなにしてるんですか⁉」



「あははっ、嘘じゃなかったでしょ?騙したなんて心外だなぁ」



なんでリーダーが俺を殴ったんだ…。


視界の端には、いつもとは様子が違うリーダーの姿があった。



「いやぁ、助かったよ。これで俺の目的も達成できる。零斗君と協力してよかったな」



「どうゆうこと…?リーダー、説明して!」



リーダーは俺たちを馬鹿にしたような目で見ていた。



「お前たちはまんまと騙されて馬鹿だなぁ。零斗くんと俺はグルだよ」

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