第48話

「それは難しいお願いだね。煌が来てくれるなら別だけど」



「大人しくついて行くとでも?」



「じゃあリーダーがどうなってもいいんだね」



「どういうこと…?」



零斗はポケットからスマホを取り出すと、その画面を俺たちに向けた。



「うそ、リーダーが…」



俺の目に映ったのは、監禁されているリーダーの動画だった。



「煌が僕と共に来てくれるなら、リーダーの命は助けてあげる。さぁ、どうする?」



リーダーは気を失っているようだし、ここで拒否してしまえばリーダーが危ない。でも、煌をあいつに渡すわけにはいかない。



「零斗、なんでこんなことするんだ」



「えぇ?そりゃ決まってるじゃん。お兄ちゃんの大切なものとか人とかそうゆうのをめちゃくちゃにしてやりたいんだよ」



俺を嘲笑うかのように少しの笑みをこぼしながらそう言った。



「……怜央。私が行くよ。私が行けば二人が助かる」



そう言って、煌は銃を捨てた。



「煌!やめろ、まだ方法があるかもしれない!」



「時間がないのよ!リーダーを見殺しにしろって言うの⁉」



「…っ!」



俺に何かできることはないのかよっ!なんでこんな時まで役立たずなんだよ、クソッ!



「はいはーい、もう話はいいかな?二人とも僕についてきてね。何かしたらリーダーの命は無いよ」



俺たちは、目隠しをされて車に乗せられた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る