第35話

「ねぇ、薫。仲間に裏切られて、信用さえも失ってどんな気持ち?」



笑いをこぼしながらまた私の顔をのぞき込む。



「別に。お前に関係ない」



「あ。そんな男の真似しなくていいよ。もう全部知ってるし」



あぁ。こっちにもバレてるのか。リーダーにこのことがバレたら失望されるだろう。



「薫、なんで偽名名乗ったりとか男のフリとかしてるの」



「言って何になるの」



んー、それもそうだなぁ。と呑気に答える。



「まぁ、そんな警戒することないよ。俺は薫と同じなんだから」



「……」



「まぁ、もう邪魔者はいないし。いいよね」


何を言ってるの…。


また一歩私に近づく。

柊は私の肩に手を置き耳元で囁いた。



――「ようやく捕まえた」



バチバチッ

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