誓いのキス

第87話

「私の気持ち、伝えに来たの…………」



ドアの前に立ち尽くす賢人。



やっぱり迷惑だったのかな。


嫌われたのかな。


やっぱり引き返した方が…………



ドアの先にはたくさんの資料と開かれたままのノートパソコンが。



「……あ。まだ仕事中だったんだね。邪魔してごめん。私、またの機会にするから……じゃ、仕事頑張って……」



引き返そうとした時、とっさに手首を掴まれた。



「賢人……?」


「待って。あと10分で終わるから待ってて」



手を引かれたまま中に通された。


たくさんの資料。


賢人、ちゃんと弁護士してるんだ。



「座って待ってて。すぐに終わらせるから」



すぐさま賢人は椅子に腰掛け眼鏡を掛け、ノートパソコンに視線を移した。


仕事中、眼鏡してるんだ。

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