第78話

お見合い写真を送られることも度々ある。


それに関しては本当に面倒。


母からは賢人くんと一緒になればいいのに、と言われる始末。


私だってそうなれるならそうしたい。


だけど………現実で上手く行かないからこうなってるんじゃない。



「でも……私には彼氏が」


「それも嘘だろ?」


「え?」


「胡桃が俺に嘘つく時は決まって俺の話から逃げたい時。そうだろ?」



賢人にはバレバレだったんだ………


恥ずかし……私ったらわかりやすい嘘を。


賢人が気づかないわけないよね……



「俺の親だって、胡桃と結婚して欲しがってた。お互い利害一致するだろ」



利害一致?何それ。


私の気持ちは?私だけ置いてけぼりじゃん。


賢人は私の嘘は見抜いても私の気持ちは見抜けないんだ。


鈍感。

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