第77話
「そう言ってんじゃん」
「いや待ってよ!!なんで私が賢人と結婚しなくちゃいけないの?なんのメリットがあって?それに賢人はまだ美耶が好きなのよね?」
「うん」
うん…………ってそこは否定しなさいよ!!
賢人が何を考えているかわからない。
「まだ好きだ。忘れられない。正直、まだ未練がある。それで考えてみたんだ。胡桃と結婚したら忘れられるんじゃないかって」
はあ?何言ってんだコイツ。
私のことはただの都合いい道具で眼中にないってこと?
「胡桃にとって悪い話じゃないと思うぞ」
「え?」
「胡桃っておばさんからしょっちゅう結婚のこと、急かされてるんだろ?」
なんで賢人がそのこと………。
そう。私は母親から結婚のことでしょっちゅう電話がかかってくるのだ。
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