第67話

賢人はやれやれと何やら呆れ顔の様子で頬についていたクリームを拭って舐めた。


「クリームついてる」



さりげなくするものだからドキッとしてしまった。


そーゆーとこ、反則よバカ。



「今からブーケトスあるみたいだけど行かないのか?」



ああ。ブーケトスか。


けど女子たち群がっているのよね?


何だかめんどくさそう。


群がるの好きじゃないのよね。



「行かないの?」


「いいかな。どうせ取れるしかわからないしね。ずっと独身かもしれないし?」



自嘲した。


賢人は顔色を変えて腕を引っ張る。



「ちょ、賢人!?何すんの?どこ行くの?」


「群がってる女子の戦場に決まってんだろ!胡桃がそんな悲しいこと言うなよ……顔も性格もそんなに悪くないんだしさ」

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